head_img_slim

(1) マスクを上手に使う

レベル表示:☆☆☆★

〔2018/11/1 改訂〕

 風邪の予防にはマスクが有効ですが、マスクを嫌がるお子様は少なくありません。親がマスクをさせても、すぐにあごの方へ下げてしまいます。それは、マスクをすると息苦しく感じるからです。勉強をしているときの脳は大量の酸素を消費しますから、マスクをすると大きく息を吸えなくて呼吸がしにくくなるような感じがして嫌がるのでしょう。しかも、高機能のマスクほど目が細かくて空気が通りにくいので余計に息苦しく感じるわけです。

マスクの女性

 ところで、マスクをしてもウイルスの吸入を100%遮断することができないということはご存知でしょうか? ウイルスは光学顕微鏡でも見えない極めて小さな物質ですから、マスクのメッシュを容易に通過してしまいます。 たとえ高機能マスクを使っても、今度は顔とマスクの周囲にできるすき間から空気が出入りしてしまうので、やはり完全に遮断できないのです。

 では、何のためにマスクをするのでしょう。それは喉の保湿のためなのです。喉粘膜の乾燥を極力防ぎ、呼吸を楽にするためにマスクを使うのです。 お部屋の中で加湿器を使って湿度を50%(できれば60%)以上に保つのも効果的ですが、それには相応の時間もコストもかかります。しかし、1枚10円にも満たない普通のマスクを着けるだけで吸気の湿度を十分に高めることができます。呼気によって潤った空気を再び吸い込むことによって呼吸が楽になることで喉の免疫力を高めてウイルスに感染するリスクを減らすわけです。

 マスクを使うときには、屋外で使ったマスクを室内で使わないという原則を守りましょう。これは、屋外でマスクについたウイルスを室内に持ち込まないために有効な方策です。 また、気温の低い屋外でマスクを使うと呼気の水蒸気が結露してマスクの内側につき、マスクの目を塞いでしまいます。これでは十分に空気が通りませんし、着けていて気持ちのいいものでもありません。学校や塾の教室などの室内に入ったら、そこで新しいマスクをつけるようにすればいいでしょう。 私は、外出の際は室内で使っていたマスクをそのまま使い続け、目的地に着いて室内に入ったタイミングで新しいマスクと交換するように努めています。

  なお、誤解のないように断っておきますが、混んだ電車内・ターミナル駅・繁華街など大勢の人がいる場所でマスクをするのはウイルスを吸入しにくくすることに効果的ですが、通学路を歩くようなときにウイルス対策としてマスクをすることに意味はありません。そういう場所の空気中に飛散するウイルスの数はとても少ないので、その影響はほとんど無視できるレベルだからです。屋外でマスクを着けるのは、あくまでも喉の乾燥を防ぐことが目的であって、ウイルスを吸い込むのを防ぐ効果にはほぼ無関係だということを覚えておいてください。


ページトップに戻る


inserted by FC2 system