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豆電球の回路の明るさ比べ

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〔2018/08/27 改訂〕

 初回の今回は、多くの受験生が苦手とする「電流」の単元から「豆電球の明るさ比べ」を選んで説明します。

 いくつもの豆電球と乾電池を組み合わせていろいろな回路を作り、それぞれの回路の豆電球の明るさや豆電球がついている時間(乾電池の寿命)を比べる問題は、多くの学校の入試問題によく出題されています。 しかし、この類の問題の克服に苦労している受験生は非常に多いのが現状です。決して難しくはないのに、こんなにも苦手とする受験生が多いのはなぜでしょう。 それは、直列つなぎが正しく理解できていないからなのです。 そこで今回は、次の図のような簡単な回路を例にして、それぞれの回路の豆電球と乾電池に流れる電流の大きさを考えてみたいと思います。

回路図1~3 回路図4







 このとき、図1の豆電球と乾電池に流れる電流の大きさをそれぞれとして、図2と図3の豆電球と乾電池に流れる電流の大きさ(①~⑥)を考えた上で、図4のA~Eの電流の大きさを考えてみたいと思います。

 回路に流れる電流を求めるときは、最初に豆電球に流れる電流の大きさを決める必要があります。そして、電流を求めるときに用いる公式がオームの法則(次の式)です。

直列つなぎの乾電池の数=豆電球に流れる電流の大きさ×直列つなぎの豆電球の数


 そして、何よりも大切なことがもう1つあります。それは、

   直列つなぎの回路では、回路のどこでも電流が等しくなる 電球

ということです。直列つなぎは電流の通り道が1本しかない回路ですから、 回路の途中で電流が増えたり減ったりすることは決してないということを忘れないでください。

 それでは、さっそく問題を考えてみましょう。


〔例題の問題と解答・解説〕

 豆電球の問題にひそむ“危険な落とし穴”の正体に納得していただけましたか?

 まちがっている本人すら気付かないまま、無意識に足し算や割り算をして乾電池に流れる電流を求めてしまうのです。こうしたミスを防ぐには、正しい解法を身体に染みこませるしかありません。 そこで私が生徒に教えるのが、(直列つなぎの電流は)「どこでもいっしょ!」という合言葉です。 豆電球の問題で直列つなぎの回路を見るたびに、まるでおまじないのように「どこでもいっしょ!」と唱える習慣をつけていき、“自然に”正しい解き方ができるようにしていくのです。 このとき大切なのは、身に着くまで根気よく練習を続けることです。諦めずに体が覚えるまで続けていけば、必ず正しい考え方を身に着けることができるのです。


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