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回路に流れる電流と電圧・抵抗の関係(オームの法則)

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〔2019/04/5〕

 電流・電圧・抵抗の関係をまとめた最も基本的な公式はオームの法則と呼ばれるもので、次のような簡単な式になります。

電圧=電流×抵抗

 この公式には、次の2つの意味があります。

抵抗が一定のとき、回路に流れる電流の大きさは電圧に比例する。

(例) 豆電球が1個のとき、直列つなぎの乾電池の数が2個,3個と増えると、豆電球に流れる電流の大きさも2倍,3倍と増えていく。

電圧が一定のとき、回路に流れる電流の大きさは抵抗に反比例する。

(例) 乾電池が1個のとき、直列つなぎの豆電球の数が2個,3個と増えると、豆電球に流れる電流の大きさは2分の1,3分の1と減っていく。


 そして前回は、抵抗の長さと太さと大きさに関して、次のようなことを確認しました。

抵抗の大きさは長さに比例し、断面積に反比例する。


 そこで今回は、これらの2つの知識に関する例題をご紹介いたします。かなり昔の問題ですが、とてもシンプルに電流・電圧・抵抗の関係をまとめた良問です。制限時間は5分(長くても7分)が目標です。それでは、がんばって挑戦してみてください。


例題1 太さが同じ5本のニクロム線A,B,C,D,Eがあります。Aの長さは1mで、図1のようにつなぐと、24mA(ミリアンペア)の電流が電流計に流れました。次に、ニクロム線BをAのかわりにつなぐと、48mAの電流が電流計に流れました。これについて、次の問いに答えなさい。ただし、1000mAは1Aです。

例題1の回路図












(1) ニクロム線Bの長さは何mですか。

(2) 次の①~⑥の文について、発生する気体の体積比(A:B)を最も簡単な整数比でそれぞれ求めなさい。ただし、答えが求められないときは×と答えなさい。なお、水溶液1cm3あたりの重さは1gとし、気体の体積は同じ温度と気圧(圧力)の下で測定するものとします。

(3) 図3のように、図2にニクロム線Cを加えてつなぐと、電流計には12mAの電流が流れました。ニクロム線Cの長さは何mですか。

(4) 図4のように、ニクロム線B,Dをつなぐと、電流計には72mAの電流が流れました。ニクロム線Dの長さは何mですか。

(5) 図4のように、ニクロム線B,Dをつなぐかわりに、1本のニクロム線Eでおきかえて同じ電流が電流計に流れるようにしたいと思います。ニクロム線Eの長さは何mのものを使いますか。

(6) 図5のように、ニクロム線をつなぐと、電流計は何mAを示しますか。



〔回路に流れる電流と電圧・抵抗の関係〕の問題・解答PDF

 この問題で最も重要ポイントとなるのは(5)です。(4)では、ニクロム線BとDを並列つなぎにした図4の回路には72mAの電流が流れています。長さ1mのニクロム線をつないだ図1の回路を基準にして考えると、電流の大きさが3倍になると回路全体の抵抗の大きさは3分の1になるわけです。そのため、(6)の図5の回路全体の抵抗の長さは、ニクロム線AとEを直列につないだ長さになることから考えればよいのです。

 このように、2本以上の抵抗を同じはたらきをする1本の抵抗に置き換えることを抵抗の合成といいます。また、置き換えられた1本の抵抗のことを合成抵抗と呼ぶことも覚えておくといいでしょう。

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