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新6年生の受験勉強(1) ~保護者の方へ贈るエール~

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〔2019/02/07 改訂〕

 首都圏の入試が終わり、進学塾では新年度の授業が始まりました。新6年生やその保護者の方は、「1年後は自分たちが受験だ!」と気持ちを新たにして受験勉強を進めていることでしょう。多くの塾のカリキュラムでは6年生の1学期までに新出単元の学習はほぼ終わり、夏休みからは総合演習や入試過去問演習が始まるはずです。秋からは日曜の志望校別授業が始まり、いよいよ受験勉強が本格化していくというのが大雑把な流れになります。

 ところで、これから1年間の受験勉強について触れる前に、これまでの勉強のことを少しふり返ってみましょう。つまり、「5年生までの勉強は順調に進めてこられましたか?」ということをお尋ねするわけですが、この質問に躊躇することなく「はい」と答えられるお子様はごくわずかで、多くの方は順調とは言い難い状況で勉強を進めてこられているのではないでしょうか。

 まわりには同じような状況に置かれた受験生が数多くいるとわけですから、必要以上に焦ったり慌てたりする必要はありませんが、何の心配もいらないというわけでもありません。今必要なことは、状況を正確に理解した上で適切な対応策を遅滞なく講じることにあるのです。

 「5年生の間にもっとちゃんとやっておけばよかった」などと、過ぎた日々のことをあれこれ思い悩んでも得られることはほとんどありません。 満開の桜 それよりも、これからのことを考えて行動を改善していくことが大切なのです。季節は春です。心機一転、一から出直すチャンスです。失敗をおそれて何もしないことより、こうと決めて行動していくことの方がはるかに価値があるのではないでしょうか? 例えうまくいかずにリセットすることになっても、リトライ(再挑戦)する機会はいくらでもあります。春休みのスタート、小学校の新学期のスタート、ゴールデンウィークという具合に、節目には事欠かないのですから。

 受験勉強は長丁場ですから、何事もなく順調に事が進むことはまずありません。むしろうまくいかないことの方が多いくらいです。それでも、こうした厳しい受験勉強に立ち向かっているのは、紛れもなくお父様・お母様のお子様です。親の目から見てもがんばっているのに、なかなか芽が出ないことがあるかもしれません。あるいは、どう考えても親から見れば腹立たしく思えることがあるかもしれません。しかし、どのような状況になっても、親子で力を合わせて1つの大きな目標に向かって進むことにはとても大きな価値があると私は思います。


 中学受験が終わればお子様は中学生になります。大人への階段を昇り始める年齢を迎えるわけですから、もう幼い頃のように親の言うことに盲目的に従うようなことはなくなっていきます。昔のように可愛いだけの“子ども”ではなくなるわけです。そんなふうに考えると、この中学受験は親と“子ども”が力を合わせて何かを成し遂げることのできる“最後の機会”なのではないかと私は思います。受験勉強は、つらかったりしんどかったりするだけのものではありません。すべてが終わって結果が出たとき、「本当に挑戦してよかった」と思える貴重な経験となるはずです。どうか保護者の方はしっかりとお子様に寄り添い、お子様と一緒に歩き続けるんだという気持ちを持ち続けて、これからの受験勉強を進めていかれますよう心から願っております。

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