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新6年生の受験勉強(8) ~スタートダッシュを決める~

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〔2019/02/26 改訂〕

 春先の今の時期、心機一転で受験勉強をがんばろうと思う受験生は多くいます。しかし、受験勉強は1年近くも続くためになかなかモチベーションが保てず、「夏休みになったら本格的に受験勉強をがんばろう」となってトーンダウンしてしまうお子様が多くなるのが実情です。しかし、これから入試までにこなさなければならない勉強量を考えれば、今からしっかりと準備を整えておく必要があります。その準備の中でも最も重要なことが、学習の習慣化を進めることです。

 受験勉強は毎日コツコツと進めて勉強の成果を積み上げていく性質のものです。単に机の前に長時間座っていればいいわけでもありません。ですから、今すぐには無理でもいずれは集中力を維持した状態で長時間の勉強が進められるようになる必要があるのです。それは大人でも簡単にできることではないですから、いくらお子様が「夏休みになったらがんばろう」と思ってもすぐにできるようになるものではありません。

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 今回のテーマの『スタートダッシュを決める』とは、まさにこのポイントに注目して今から有効な手段を打っておこうというものです。今の時期、多くの新6年生は日々課される塾の宿題やテストに追われています。もちろん、カリキュラムをきちんと消化していくこと自体も大切ですが、それをどのような方法・手段で行うのかという点まで注視されている方は少ないのです。「やがてやらなくてはならない勉強量が今の2倍になったとき、今と同じ方法・やり方で対応できるか」という観点から考えてみることが大切なのです。

 では、いったいどのような準備をすればいいのでしょうか。受験勉強は積み重ねの連続です。集中力を切らさずに長時間でも勉強できるようになるためには、まず短時間で集中して勉強する練習をしなければなりません。たとえ短時間の勉強でも毎日続けて行うことは決して簡単なことではありません。しかし、短時間の勉強でも、毎日継続して行えるようになるだけで受験勉強には大きなアドバンテージ(強み)になります。たとえば毎日10分の算数の計算練習を1日も欠かさずにやり続けていますか? 国語の基礎である漢字・熟語・語句などの練習はどうですか? こうした基礎となる勉強を当たり前のように毎日続けるだけで、どれだけ算数・国語の成績が安定するかを考えてみれば、その効果を想像していただけるのではないでしょうか。

 こうした話をすると、「確かにその通りなのだが、現実には日々の宿題が大変で計算や漢字は後回しにせざるを得ない」と言われる方がおられるのが実情です。確かに習慣化するまでは大変です。毎日、「○○をしなければ」と考えながらやるのですから当然でしょう。しかし、ちょっと視点を変えてみてください。毎日起きたら顔を洗い、髪をとかし、歯を磨きますが、それらを毎日続けることは大変ですか? 健康を保ち、身ぎれいにするための行動を行うことが大変だとは思いませんね。それは、そうした行動が完全に生活の中に取りこまれていて、空気を吸うようなものになっているからです。毎日の計算・漢字練習を欠かさずやることを、毎日歯磨きを欠かさないのと同じような“当たり前の行動”にするつもりで取り組まれることを私は強く推奨いたします。こうした学習の“習慣化”こそが受験勉強を成功させる第一歩になり、今その練習を始めることがスタートダッシュを決めることになるのです。

 このような行動の習慣化を成功させる一番の秘訣は、保護者が焦ることなく、お子様を精一杯励ましたり褒めたりしながら親子で力を合わせて取り組むことにあります。受験生の多くがまだ手探りで勉強を進めている今の時期なら、たとえ失敗しても取り返せます。いろいろ試行錯誤を繰り返しながら自分に最適な勉強法を見つけ出し、それを習慣化をすることを目指しましょう。最初はなかなか続かないかもしれませんが、この程度の短時間の勉強すら習慣化できないのに、どうして入試問題を解きこなすための深い勉強が続けられるようになるでしょうか? どうか親子で粘り強く勉強を続けていってください。

 今から夏休みまでの約5か月間が第一志望校の合否を分けることになると言っても過言ではないでしょう。夏休みに入れば受験生はみんな必死で勉強を始めます。夏休みが始まる前に集中して勉強をガンガン進めるノウハウを身に着けていれば、ライバルに先んじて効率的に勉強を進められるのです。

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