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(1) 火星大接近に関する問題

レベル表示:☆☆★★

〔2018/08/13〕

 2018年7月31日夜、およそ15年ぶりに火星が地球から5759万kmまで大接近しました。次の大接近は17年後の2035年9月で、今回よりさらに近い5691万kmまで近づきます。15年前の2003年8月には5576万kmまで地球に近づいており、これは1924年以降の約300年間で最も近づいた年でした。 (ちなみに、次に2003年並みに火星が地球に近づくのは2050年と2082年ですが、それでも03年の方が近いのです。)

 前回の『火星大接近』があったの翌年の2004年入試では、各校で関連する問題が数多く出題されました。そこで今回は、『火星大接近』に関連する初歩的な2つの問題を準備しましたので挑戦してみてください。制限時間の目安は、【問題1】が3分,【問題2】が5分です。


〔惑星に関する問題〕の問題・解答PDF

【問題1】次の文を読んで、あとの問いに答えなさい。

◎ 太陽系には、太陽のまわりを公転する全部で( A )個の惑星があります。火星は地球の軌道の外側を公転する( B )個の惑星うち、最も地球に近い軌道を公転する惑星です。地球から火星を見ると、たいていの場合は夜空を( C )へ動いていくように見えます。このような惑星の見かけの動きを順行といいます。しかし、地球が火星を追い抜くときには、火星が逆の方向に動くように見えます。これを惑星の逆行といいます。

(1) 火星について、正しくないものを次のア~キからすべて選び、記号で答えなさい。

 ア.火星にはほとんど大気がない。

 イ.火星の直径は地球の約2倍である。

 ウ.火星の直径は地球の約半分である。

 エ.火星の大気のほとんどは二酸化炭素である。

 オ.火星にはとても小さな2つの月(衛星)がある。

 カ.火星の岩石には酸化鉄(赤さび)があるので赤く見える。

 キ.火星の両極には大量の氷(個体の水)があるので白く見える。

(2) 文中の( A ),( B )にあてはまる数字をそれぞれ答えなさい。

(3) 文中の( C )にあてはまるものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。

 ア.北から南   イ.南から北   ウ.西から東   エ.東から西

(4) 2018年の夏、火星が地球に大接近しました。火星の大接近は15年前の2003年にもありましたし、17年後の2035年にも起こる予定です。しかし、大接近するときの火星と地球の距離はかなり大きく変化します。このような距離の変化はなぜ生じるのですか。その理由を20字以内で簡単に答えなさい。


【問題2】火星の運動に関する計算問題

◎ 地球と火星がともに太陽を中心とする円形の軌道を公転しており、地球の公転周期を360日,火星の公転周期を680日として、次の問いに答えなさい。

(1) 地球が1日あたりに太陽のまわりを公転する角度は何度ですか。

(2) 地球から見ると、火星は太陽のまわりを1日あたり何度公転するように見えますか。答えは簡単な分数で答えなさい。

(3) 火星が地球に最接近するとき、太陽,地球,火星はこの順で同一直線上にならんでいます。次に地球と火星がこの順で同一直線上にならぶのは何日後ですか。


火星

 【問題1】は、火星に関する基本知識に関する問題です。惑星に関する知識は中学に入ってから学ぶことですが、前回の大接近の際にも惑星に関するさまざまな知識が問われています。少し前には火星に人類を送りこむ計画が発表されるなど、世界的にも関心が高まっていることを背景にして、多様な問題が出題されることが予想されます。

 【問題2】は、火星の動きに関する計算問題です。基本的な考え方は算数の“時計算”です。長針と短針が重なってから再び重なるまでにかかる時間を求める計算と同じ問題です。

【発展内容】 なお【問題2】では、計算を簡単にするために、地球と火星の公転周期を実際の値とは変えてあります。そこで、念のために正しい数字を挙げておきます。

 ・地球の公転周期……365日   ・火星の公転周期……687日

 この2つの数字を用いると、地球と火星の正確な会合周期は779日(約2年2か月)となります。


【参考】

 【問題2】の計算は月の動きに関する3つの計算の(2)の計算と同じ考え方をする問題です。そちらの問題もぜひ確認をしておいてください。

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