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ミクロの世界をのぞく!(花粉編)
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〔2018/09/10 改訂〕
今回はミクロの世界のお話です。世界で初めてミクロの世界の扉を開いた人は、レーウェン・フックという人です。フックは「細胞の発見」で有名ですが、彼は科学者だったわけではありません。ただ、彼は仕事のために繊維を拡大して見る必要がありました。 彼の生きた時代にも虫めがねはありましたが、倍率がわずか数倍ほどの虫めがねで見ることができる世界は知れていました。「もっと詳しく知るために、もっと高い倍率の観察器具が必要だ」と考えた彼は、器用な手先を活かして、当時の最高水準の拡大率を誇った倍率が約300倍の顕微鏡を自作したのです。
現在では、倍率が数百万倍もある電子顕微鏡が発明され、信じられないようなミクロの世界を誰もが見ることができるようになりました。そこで今回と次回は、電子顕微鏡が捉えたミクロの世界を皆さんに紹介したいと思います。
初回の今回は、中学入試によく出題されるいくつかの植物の花粉を紹介しましょう。まず最初に、裸子植物の代表例であり、入試にも非常によく出題されるマツの花粉を見てみましょう。 たくさんの花粉が写っていますが、写真の下に拡大写真があるのでそれも必ず見て下さい。どうですか? 図(線画)で見ているのとは全然ちがいますね。
次は、カボチャの花粉を見てみましょう。金平糖のような小さな突起がたくさん見えますね。この突起がオナモミの種のように昆虫の体にくっつくためのつくりです。ここで、ぜひアサガオの花粉も見て下さい。どうですか? カボチャの花粉と見分けがつかないほどよく似ていることがわかるでしょう。 このことから、アサガオの花粉もカボチャの花粉と同じように昆虫の体にくっついて運ばれるということがわかると思います。
さらに、キュウリの花粉とヘチマの花粉も見てみましょう。キュウリの花粉にはカボチャのような突起がありませんし、ヘチマの花粉はラグビーボールのような形で、カボチャにもキュウリにも似ていません。このように、同じウリ科の植物と言っても、花粉の形はちがっているのです。
それでは、次にテッポウユリの花粉を見てみましょう。右の写真がテッポウユリで、真夏にラッパのような形をした白い花を咲かせる植物です。テッポウユリの花粉とヘチマの花粉は、形はわりと似ていますね。 ただし、表面のようすはまったくちがいます。ユリの花粉は表面がネバネバしており、それによって昆虫の体にくっつくのです。
最後にツツジの花粉も見てみましょう。とても細い毛がからまっているようすがよくわかりますね。ツツジの花粉は、この細い糸で昆虫の体にからみついて運ばれるのです。画像の右上にあるツツジの花粉の拡大写真も忘れずにクリックして見てくださいね。
さて、ミクロの世界はいかがでしたか?今回の記事で扱った花粉のうち、マツ,カボチャ,ツツジ,ユリ,アサガオの花粉は、中学入試にもよく出題されます。塾のテキストや参考書では白黒の図(線画)でしか見たことがなかったと思いますが、この機会にしっかり覚えておきましょう。 入試で必ず役にたちますよ!