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中学入試の理科って難しい? (2)

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〔2017/03/14 改訂〕

 ご家庭で算数や国語をお子様に教えておられる保護者は多いでしょうが、理科を算数や国語と同じように教えておられるご家庭は少ないのではないでしょうか。 物理や化学の計算問題なら理系の保護者なら教えられるかもしれませんが、生物・地学の暗記事項まで対応されている保護者は少ないのではないかと思います。中学入試の理科を難しく感じさせている2つ目の原因は、 “生物・地学の暗記事項が膨大であり、しかもその内容が多岐にわたっていること”にあるのでは 星 ないでしょうか。

 中学入試の問題には小学校で習わないことも多く出てきます。例えば植物には、根で吸収された水(と水にとけた肥料分)が通っている道管と、葉で作られた養分が通っている師管という管があります。 多くの中学入試問題で当然のように出題されるこの2種類の管の名前は、実は小学校の教科書のどこにも載っていません。

 オリオン座・おおいぬ座・こいぬ座などは冬の代表的な星座ですが、中学入試では他にもおうし座・ふたご座・ぎょしゃ座などが出題されます。個々の星座の名前はもちろん、 これらの星座に含まれる1等星の名前や色などについても出題されますが、教科書にはその半分も載っていません。

 中学入試の理科の入試問題に対応するためには、当然のことながら教科書の範囲を超えた多くの暗記事項を覚えておく必要があるのです

 中でも、中学入試の問題を難解に見せているものの1つに“植物に関する知識”があります。次の3問は、いずれも過去に出題された、私たちの身近に見られる植物に関する入試問題です。


【問題】

(1) タンポポの花は、舌状花と呼ばれる小さな花がたくさん集まって頭状花という1つの花をつくっています。では、街中でよく見られるセイヨウタンポポの1つの頭状花には、いくつくらいの舌状花が集まっていますか。

(2) カタバミ,タンポポ,チューリップ,スイレンの花に共通した特ちょうとは何ですか。

(3) 私たちの主食であるイネの花は、1日のうちのいつごろ花が咲きますか。

タンポポ カタバミ イネ


〔設問の解答と解説〕

 いかがでしょうか?いずれの知識も小学校の教科書には載っていないものですし、受験参考書にすら載っていないものもあります。こんな問題をお子様に質問されても、多くの保護者の方は即答できないでしょう。もちろん、いくら難関校と言っても、こんな問題ばかりが出題されるわけではありません。しかし、こうした“掴みどころのない問題”が出題されるということが、中学入試の理科を難しく感じさせている大きな理由の1つになっていることは間違いないでしょう。


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