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合格点を取る基本戦略

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〔2017/03/17 改訂〕

「中学入試では何点くらい取れば合格できるんだろう。」

 受験生や保護者の方の中には、こんな疑問を持たれている方がいるかもしれません。いわゆる合格最低点といわれるものは、たいていの場合、入試終了後に中学校がウェブサイトなどで詳細なデータを公表してくれます。各科目別に受験者数・受験者平均・合格者平均などを詳細に公表してくれる親切な学校がある一方で、ウェブはおろか入試要項などの冊子にも公表せず、入試説明会において口頭で伝えるだけという不親切な学校も少なくありません。 合格最低点は学校によってかなりの違いがありますが、私は、「だいたい7割を取れれば、まず大丈夫ですよ。」と答えることが多いです。

 では、どうやってその7割を取ればいいのでしょうか。「中学入試の理科は出題範囲が広く、細かな知識も必要だし、計算問題も出てくる。本当に7割も取れるだろうか」と心配になるかもしれませんね。でも、それは次のようにすれば可能ではないでしょうか。

『暗記事項の8割をしっかり覚え、計算問題の半分を取ることを目指す。』

飛行機雲

 もう少し具体的に説明しましょう。いくら出題範囲が広く、中にはトリビアのような知識が出題されるとしても、多くの暗記事項は“典型的な知識事項”ばかりです。 もちろん、多くの生物の名前や部位の名称を覚えたり細かな分類を覚えたりすることも必要ですから、簡単にできるとは言いません。それでも「8割取ればよい」ということは「5問中の1問はわからなくてもよい」ということです。それなら「がんばれば何とかできるのでは?」とは思いませんか?

 「でも計算問題がすごく苦手だから……」という声が聞こえてきそうですね。

 例えば小問が5問ある計算問題を例に考えてみましょう。“半分を取る”ということは、「最初の2問は必ず正解しなければならないけれど、3問目は“正解するときと間違うときが半々ならよい」ということです。 これなら「できるかもしれない」という気がしませんか? それともまだ、「本当にそんなことで7割が取れるの?」と思われるでしょうか?

 実はちゃんとできるんです。考え方はこうです。

100点満点のテストがあり、70点分は暗記事項で30点分は計算問題だとします。

・暗記事項(→8割を取る)……70点×0.8=56点

・計算問題(→半分を取る)……30点×0.5=15点

そうすると合計点は、56点+15点=71点 となります。ちゃんと7割を越えますね。

サンライズ

 この基本戦略は、お子様自身に「やれる」という自信を持ってもらうために必要不可欠なものです。 一朝一夕にして暗記の8割が取れるようになることも、計算問題の半分が解けるようになることもありません。 しかし、「小さな努力を日々続けることが困難の克服につながり、やがて自分の目標が実現できるようになる」のです。中学受験を経験する真の価値は、このようなところにもあるのではないでしょうか。

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