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新6年生の受験勉強(5) ~追い込みをきかせるために今すべきこと~

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〔2019/02/07 改訂〕

 前回のお話では、何の準備もせずに追い込みをきかせるのは無理だということをご説明いたしました。そこで今回は、どのような勉強をしておけば秋以降(あるいは入試直前)に追い込みがきかせられるかについてご紹介いたします。

 例えば計算問題について考えてみましょう。計算問題の解法を身に着ける上で核となるのは、それぞれの単元の典型的な問題の解法パターンに習熟することです。各単元の基礎(基本)となる解法を授業中にしっかりと納得した上で理解しておくことが大切なのです。“授業中に”と強調したのは、計算問題を苦手とするお子様ほど、授業中ではなく家に帰ってから理解しようとする傾向が強いからです。授業ではよく分からなくても、家でもう一度復習すれば理解できるということなのでしょうが、その発想は誤りです。なぜなら、授業中に先生がさまざまな補足を加えながら説明してくれることが理解できなかったことが、家に帰って考え直したらすぐにわかるはずがないからです。きっとこれには反論があるでしょう。「家に帰ってからテキストやノートを読み直してみたら分かったということはいくらでもある」というのがその根拠だと思います。しかしそれは、授業を理解したのではなく自分でテキストなどを読んで理解したに過ぎません。しかも、理解できるようになるまでに多くの時間を使っていませんか? 授業を聞いて学ぶ最大のメリットは効率よく学ぶことにあります。授業中ではなく帰宅後に時間をかけてテキストなどを読み直して初めて理解しているのでは効率が悪いのです。

 限られた時間を有効に使い、短時間で勉強できるように習慣化するためにも、授業の中で解法の流れを確実に納得することを心がけてください。家で行うこと(宿題)は、授業で理解した通りの解き方で“短時間で”問題を解く練習することを最優先にしてください。そうやって基礎を固めていく勉強を行っておくことが、秋以降に追い込みをかけるために必要不可欠なことなのです。

クローバー

 次に、暗記事項についても考えてみます。どのくらい覚えるの?の記事でもご紹介したように、中学入試の理科にはおよそ2000項目の暗記事項が必要であり、そのうちの約800項目が最重要事項といえるでしょう。これらの知識のほとんどは、塾で皆さんが使っているテキストに載っているものです。それだけの知識事項を秋以降に一気に覚えこむためには、栓のない浴そうに水を溜める? で触れたように、平素から繰り返し目を通す努力が必要です。たとえ1日に10分でも15分でもいいので、毎日欠かさずに暗記事項に目を通す習慣をつけていくことで、頭の中に記憶を固定するための“アンカー(錨)”とでも言えるようなものが打ち込まれていくのです。1学期の間からこうした“お膳立て”をしっかり行っておけば、秋以降に追い込みをきかせることは十分に可能となるでしょう。

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