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理科『計算問題の学力診断テスト』

 新年を迎えて今の6年生が入試を終えると、いよいよ現5年生(新6年生)の皆さんの受験勉強が本格化します。1年後に迎える入試で第一志望校に合格するために残された“最後の1年間”が始まるというわけです。

 さて、5年生の皆さんに尋ねます。「5年生で学んだことはきちんと理解できていますか?」 この質問に「はい、大丈夫です」と即答できるなら何も心配はいりません。これからの1年間も今までのようにまじめに取り組んでいきさえすれば、きっと良い結果を手に入れることができるでしょう。しかし、もし不安な気持ちがあるのなら、その不安を一刻も早く解消しておく必要があります。

 サッカーのワールドカップで日本チームは大活躍をしました。彼らは4年間にわたって厳しい練習を積み重ねてきました。準備に“万全”はないとは言え、彼らは精一杯のことをやって大会に臨んだはずです。それでも、決勝トーナメントでは善戦したものの勝利を得ることはできませんでした。皆さんもよく覚えておいてください。勝負というのはこういうものなのです。1年後に皆さんが受験する入試も勝負です。皆さんの第一志望校には多くの受験生が集まり、合格ラインを超えられるかどうかを競って入試で戦うのです。合格点に1点でも足りなければ合格できないという厳しい勝負が入試であるということを覚えておいてください。

 厳しい入試で合格するためには十分な実力を身に着けておかねばなりませんが、そうした実力を備えるには不断の努力が欠かせません。言いかえれば「今できることをやり続ける」ことが大切だというわけです。

 

今できることは何か?

 それでは、今できること言いかえれば今すべきこととは何でしょう? ただ何となく「理科の勉強をすること」と考えていても何も進みません。もっと具体的な内容が必要です。理科の勉強を大ざっぱに2つに分ければ、“知識問題”と“計算問題”になります。

 知識問題の対策は『覚えること』に尽きます。何を問われても瞬時に正解を答えられるようにしておくことが勉強のゴールです。もちろん100%完璧に覚えるのは現実には困難ですが、少しでも100%に近づけるよう、入試までひたすら覚える努力を続けることが求められます。

 一方、計算問題の対策には、知識問題とは別の努力が求められます。計算問題を解きこなせるようになるには、①比例や反比例などに代表される二量の関係を正しく理解すること、②定石とされる基本的な問題の解法の過程(プロセス)に習熟すること、の2つが必要です。こうした学習(練習)を通じて『解法を身に着ける』ことによって“科学的な思考”が培われていき、やがて複雑な問題でも自在に解きこなせるような応用力へとつながっていくわけです。

 そこで今回は、理科の計算問題の現状分析を行い、今後の受験勉強の計画を定める上での参考にしていただきたいと思います。

 

まずは自分の現状を正しく知ろう!

 ここでは、主に計算問題の理解度を確認するために、さまざまな単元の代表的なテスト問題を準備しました。現状分析のための問題ですので解答のみの公表となりますが、すべて無料で提供いたします。

 なお、これらの問題の取り組み方については、次の項目に詳しく示しておきますので、そちらをぜひご参考になさってください。

理科『計算問題の学力診断テスト』(問題一覧)

テスト01_力学 てこのつりあい・かっ車と輪じく・ばね・浮力

テスト02_化学 溶解度・燃焼・金属と水溶液・中和

テスト03_電磁気 豆電球の回路・電流と方位磁針・電流による発熱

テスト04_熱・光・音 熱と温度・光の反射・音の速さと高低 〔新規公開〕

 

テストの使い方について

① それぞれのPDFファイルをダウンロードして、A4用紙に印刷してください。

② 問題を解く際には計算用紙が必要だと思いますので、テストを始める前に必要な計算用紙を準備しておいてください。各問題ごとにA4用紙1枚(片面のみ使用)を目安として使ってください。どの中学校の入試問もそれほど余白はありませんので、あまり大きな計算用紙を使うことは推奨いたしません。

③ このテストはタイムトライアル形式で行います。制限時間内に正答数が何問あるかを調べることによって、それぞれの問題(単元)ごとの習熟度を評価します。お子様にはテストを実施する前に、「わからない設問が出てきても1つの設問をじっと考え続けるのではなく、どんどん解けそうな問題を探しながら解き進め、1問でも多く正解できる設問をつくりなさい」ということを徹底してください。逆に言えば、パッと見ただけですぐに解法が思い浮かんで解き進められない設問があれば、それは解法が確実に身に着いていないことを示しているわけです。

④ それぞれの問題の制限時間は、問題番号の右横に(6分~10分)のように指定してあります。これは、「ひと通り解き終えても、最低6分までは見直しを行って時間を使い切ってください。また10分経てば、途中でも解くのを止めてください。」という意味です。

⑤ 問題のPDFファイルは、テーマごとに複数の問題をまとめていますが、テストを実施する際はそれぞれの問題を個別に解いていくことを推奨します。連続してまとめて解くことはおすすめいたしません。

⑥ このテストは、制限時間をきちんと守って行うことをおすすめします。キッチンタイマー等を使って、きちんと計時をしながら解き進めてください。また、問題用紙はあらかじめ裏返しておき、始めの合図で表返して解き始めることをおすすめします。

⑦ 基準時間(左端に記載の時間:上の例では6分)が経過した時点で、解答を記入している設問の番号に○をつけるなどして簡単に記録します。その上で、すべての問題が解けていない場合は、最長時間(右端に記載の時間:上の例では10分)までは残りの問題を解いてみましょう。その際、一度解答らんに書いた答えを書き直したい場合でも、最初に書いた答えは消さずに残しておき、その近くに新たに出した答えを書き加えてください。

⑧ テストが終われば、解答を見ながら赤ペンで○または×のみをつけてください。なお、採点の際には誤答した設問の正解を赤で書かないでください。→あとでもう一度考え直すときに正解が書いてあるのはよろしくありません。

⑨ 採点が終われば、正答率(正答数÷問題数×100)を算出してください。正答率は、基準時間内で正答した設問の正答率最長時間まで延長した際に正答した設問の正答率をそれぞれ算出してください。例えば、基準時間内の正答率が60%で、最長時間まで延長したあとの正答率が80%なら、評価は「C-Q」となります。

正答率

90%以上

70%以上

40%以上

40%未満

基準時間

A

B

C

D

最長時間以内

P

Q

R

S


⑩ ここで取り上げたテストの問題は、いずれも中学入試では不可欠な問題ばかりです。正答にたどりつけていない設問については、すべて正答できるように手持ちのテキストなどを調べて、確実に解けるように勉強をしていくことが大切です。

 

正答率による現状分析の目安

 正答率による評価の目安は以下の通りです。今後の学習の参考にしてみてください。

A:とても優秀です。ほぼ完璧に習熟できていると考えていいでしょう。

B-P:完全に習熟できていませんが、解法はほぼ理解できていると言える状態です。早めに自力で復習をしておけば、これ以上悪化させることなく、楽にAの状態に戻せるでしょう。このページの最後に『計算問題 ~解法の奥義皆伝~(記事一覧)』へのリンクがございます。こちらの問題には詳細な解説もつけてありますので、自力での対策などにお使いください。

B-QC-QC-P):直ちに復習すれば比較的短時間で対策が可能かもしれませんが、何の対策もせずにこのまま放置すれば、状況は必ず悪化していきます。特に、B-QC-Qの方は、急いで対策を講じないと致命的な状況に陥る可能性が高まります。

C-RD-R:解法の基礎が十分に理解できておらず、対策が急がれる深刻な状況にあります。夏休み前までに改善の兆しが見られない場合、秋以降に深刻な状況を招きかねません。もし自力での対策が困難な方は、時期と内容を限った上で個別指導の受講などをおすすめします。

D-S自力での対策が困難な状況である可能性が非常に高く、直ちに対策を講じなければ、極めて深刻な状況を招くことでしょう。一刻も早く指導者による対策を講じる必要がある状況と言えるでしょう。特に、難関校を目指されている方は夏休み前までに状況を改善させておかないと、志望校を変更しなければならなくなるなどの致命的な状況に陥りかねません。

※ ごく一部の単元だけの成績だけがよくないのであれば、対策に必要な時間もそれほど多くはありません。しかし、対策が必要となる単元が広範囲に及ぶ場合、事態は想像以上に急速に悪化し、秋以降に深刻な状況に陥る可能性が高まります。早め早めの対策をおすすめします。


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