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ばねとてこのつりあい

レベル表示:☆☆★★

〔2018/08/27 改訂〕

 “ばねとてこの融合問題”は、中学入試では非常によく出題される問題の1つで、特に棒に重さがある場合にはとても難しく感じるものです。しかし、こうした“ばねとてこの融合問題”にも、常に同じ方針で考えるための“解法の手順”があります。そこで今回は、ばねとてこの融合問題の解法に取り組んでみましょう。 なお、今回の問題と解説は、『てこのつりあいの解法』で説明した“解法の手順”を理解していることを前提にしています。それではさっそく問題です。

【問題】

 次の表のような性質を持つ3種類のばねA~Cと、長さ80cmの棒があります。これについて、あとの問いに答えなさい。ただし、ばねの重さは考えなくてかまいません。

ばねの表と2枚の図

〔基本問題〕……棒の重さを考えない場合

◎ 図1のように、長さ80cmの棒を2本のばねAとばねBを用いてつり下げ、重さ80gのおもりをつるすと棒は水平になってつりあいました。

 (1) 棒が水平になってつりあったとき、ばねBの長さは何cmになりますか。

 (2) 80gのおもりをつるした位置は、棒の左はしから何cmのところですか。

◎ 図2のように、長さ80cmの棒の両はしをばねBとばねCでつり下げ、重さ100gのおもりをつるすと棒は水平になってつりあいました。

 (3) 棒が水平になってつりあったとき、ばねBの長さは何cmになりますか。

 (4) 100gのおもりをつるした位置は、棒の左はしから何cmのところですか。


〔発展問題〕棒に重さがある場合の問題……難関校を狙う受験生向け(レベル表示:☆★★★)

☆ 長さ80cmの棒が重さ40gの均質で一様な棒であるとして、上の(1)~(4)の問いにそれぞれ答えなさい。

 この問題は、難関校を狙う受験生のために用意したものです。棒に重さがあることで難しそうに見えますが、基本的な考え方を理解していればきっと解けるはずです。 腕試しをしてみたい受験生は、ぜひ挑戦してみてください。


〔例題の問題と解答・解説〕

【ヒント】今回の問題では、図2に関する(3)と(4)の設問の考え方がポイントになるでしょう。ばねBとCの自然長がちがうので、棒はおもりをつるす前から水平になっていません。これが、この問題を“難しく見せている”点です。逆に言えば、2本のばねを同じ長さにして考えられれば、この問題は簡単に解けるはずです。 そこで、自然長の短いばねBを、ばねCと同じ長さに合わせて“のばす”ことを考えることから解き進めてみましょう。

金門橋

 図1は、自然長が等しくてのび方の異なる2種類のばねで棒を支える問題です。ふつうは2本のばねで棒の両端を支えるのですが、今回はあえて3本のばねで支えてみました。しかし、ばねの本数が2本でも3本でも考え方に変わりはありません。解法のポイントとなるのは、すべてのばねの“全長”が等しくなるということです。 同じ自然長のばねの全長が同じになるのは、2本のばねののびが同じになるときというわけです。つまり、ばねにかかる力を求めるには“ばねを同じだけのばすために必要な力の比”を計算すればよいのです。

 一方、図2は自然長ものび方も異なる2種類のばねで棒を支える問題です。この問題は、上の【ヒント】にも書いたように、最初に自然長の短いばねの長さを長いばねと揃えた上で、図1と同じように解いていくわけです。ポイントは、どうすれば、“正しい方法”で長さを揃えられるかということです。解説の中でふれた“正しい方法”を身に着けていただければと思います。

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